教育・研究内容の紹介

地球上に有限な量しか存在しない石油・天然ガス等のエネルギー資源を有効に利用したり、地震・津波・火山噴火などの災害を予測したりするためには,地下の状態,地下で進行する様々な現象を理解することが必要です。

しかし,こうした地下の現象は地下深部で生じていることが多く,人間が目で確認することは困難です。医師が聴診器を使って,肺呼吸や心臓の鼓動を音で確認するように,ジオフィジクス分野では人間の見ることのできない地下や微小な現象を診断するために地震計やアンテナなどを使って,地震波や電磁波の伝播現象から地下の状態を探る手法や技術の高度化に取り組んでいます。

研究対象となる現象の時定数も空間も幅広いスペクトルの中にあり,往々にして人類の知識が十分でないケースもあります。効果的に研究目的に達するために,本研究室では,先ず知識の英知を集めた仮説の提唱から始まる仮説検証型の研究を促進しています。



<博士論文>

平成28年度(平成29年1月)

  • 南海トラフ地震発生帯付加体内部における主応力方位・水平差応力分布の地震学的研究

平成28年度(平成28年9月)

  • Full waveform inversion of supershot-gathered data for optimization of turnaround time in seismic reflection survey

平成26年度(平成27年3月)

  • 自然電位法を用いた地下透水構造探査手法の開発研究

平成26年度(平成26年9月)

  • 全波形インバージョンを用いた電磁探査法における地下比抵抗構造の高精度推定法の研究

平成25年度(平成26年3月期間短縮修了)

  • 地震波散乱現象を用いた地域応力場変化の本質的推定法の研究

平成18年度(平成19年3月)

  • エレメントフリーガラーキン法による岩石破壊試験の数値シミュレーションに関する研究

平成16年度(平成17年3月)

  • Study on Shallow Subsurface Imaging using Refraction Waves
  • Study on Simulation Algorithm of Borehole Radar for Well Logging and its Application to Antenna Design

<修士論文>


令和元年度(令和2年3月)

  • 電磁波反射を利用したCole-Coleモデルによる地下浅部の物性推定の研究
  • 地震探査手法を用いたフォームEORにおける地下圧入流体流動モニタリングの基礎的研究

平成30年度(平成31年3月)

  • 配管内の局所的スケーリング及び減肉現象の流体物理学的解析
  • 個別要素法を用いた超深部地熱開発における水圧破砕シミュレーションの基礎研究
  • 地震波干渉法による擬似クロスダイポール記録を用いたS波速度異方性パラメータ推定法の研究

平成29年度(平成30年3月)

  • 多成分波形のCSP gatherを用いた地下物性値の同時推定法の研究
  • 多孔質体内を流動する流体と微小固体粒子の相互作用の研究
  • 漏洩磁場検出による鋼材裏面探傷の研究
  • Full Waveform Inversion of Sonic Logging Data in Transversely Isotropic Media
  • 流体流動に伴う微小地震波を利用した貯留層内部流体性状の推定可能性の研究

平成28年度(平成29年3月)

  • 地中電磁波探査への位相アレイ型アンテナ実現可能性の基礎研究 
  • 地震波速度異方性によるP-SV変換波発生の基礎研究

平成27年度(平成28年3月)

  • 弾性波散乱理論を組み込んだ全波形逆解析の研究
  • 水圧破砕により発生する亀裂複雑化メカニズムの研究
  • 地熱井におけるシリカスケール析出現象の物理化学的モデリングの研究   

平成26年度(平成27年3月)

  • 音波検層における全波形インバージョン手法適用可能性の研究
  • 水圧破砕による地域応力場中の亀裂進展に関する研究
  • 港湾鋼材に対する電磁誘導探傷法高度化の研究 
  • 地表磁場成分を用いた電磁マイグレーションによる地下構造可視化の研究 

平成25年度(平成26年3月)

  • 遷移領域の存在する境界面に対するAVOインバージョンの研究
  • 弾性波を用いた見かけの粘性変化に関する研究
  • Magnetotelluric 法における地表浅部構造による影響の研究
  • 磁気・重力・比抵抗探査データの同時インバージョンによる地下構造推定法の研究
  • 電磁波散乱を利用した微小球を含む遮熱塗料の輻射熱抑制効果の研究

平成24年度(平成25年3月)

  • 粒子法を用いた弾性破壊現象のシミュレーションの研究
  • 海洋音響場解析における全波形インバージョン手法適用性の研究
  • 時間領域マグネトテルリクスデータ処理法の研究
  • 地殻変動と火道流シミュレーションによるマグマ供給システムの研究

平成23年度(平成24年3月)

  • 自然電位分布の透水係数による影響に関する研究
  • 海底地形の効果が津波伝播に与える影響に関する研究

平成23年度(平成23年9月期間短縮修了)

  • 海底熱水鉱床に対する電磁探査手法の基礎研究
  • 地震波散乱現象の観測による地域応力場変化推定法の研究

平成22年度(平成23年3月)

  • 反射法地震探査におけるフレネルボリュームマイグレーション適用性の研究
  • 高音波速度異常を利用した地層水中のガス飽和度推定手法の研究
  • アンテナ形状を考慮した地中レーダの可探深度改善に関する研究

平成21年度(平成22年3月)

  • 微小セラミック球による電磁波散乱を用いた輻射熱抑制効果の研究
  • 起震機構造及び浅部地下構造の人工地震波に与える影響の研究
  • JJY標準電波を用いた浅層電磁探査小型装置の開発研究

平成20年度(平成21年3月)

  • ベクトル弾性波動場におけるP波とS波の平面波分解
  • 海底面での固液境界カップリングと流体の圧縮性を考慮した津波発生過程における音響波伝播のシミュレーション
  • 海洋MT法による地殻比抵抗構造探査と地形の3次元的影響の検討
  • レシーバー関数解析によるPs変換波を用いた地下構造イメージング

平成19年度(平成20年3月)

  • ベクトル場処理による地中レーダ測線方位の普遍化に関する研究

平成18年度(平成19年3月)

  • 漸近波線理論と有限差分法を用いた弾性波動のハイブリッドシミュレーション
  • MT法による二次元不均質媒体における異方性領域検出に関する研究
  • 断層運動による動的な海底地盤変動を考慮した3次元津波シミュレーション
  • 海底地震計を用いた人工震源による地下構造解明に関する研究
  • ピークオイル説によるエネルギー供給の将来とリスク軽減策に関する研究

平成17年度(平成18年3月)

  • 三次元浅層反射法地震探査と地中レーダを用いた送電線鉄塔基礎のイメージング
  • 分散関係式を用いたP,S波分離とイメージング
  • 電磁波の放射特性を考慮した地中レーダ探査データのイメージング
  • 個別要素法を用いた溝による地盤振動減衰効果のシミュレーション

平成16年度(平成17年3月)

  • 列車走行による地盤振動の解析に関する研究
  • 構造境界面を組込んだMT法のハイブリッドシミュレーションに関する研究
  • 特性曲線法に基づくCIP法を用いた音響波動モデリングに関する研究
  • 表面波探査法による地盤のS波速度構造解析に関する研究

<卒業論文>


 令和元年度(令和2年2月)

  • 異なる引張亀裂深度が撓み波の分散特性に及ぼす影響
  • 個別要素法を用いた岩石の延性挙動の再現

 平成30年度(平成31年2月)

  • 人工貯留層の造成による超臨界地熱資源開発の実現可能性
  • メタンハイドレート層における地震波減衰推定の基礎的研究
  • 地下の流体移動に伴う地震動を用いる貯留層モニタリング手法の研究
  • 多孔質媒質の浸透率異方性の研究

 平成29年度(平成30年2月)

  • 電磁波反射による媒質の複素比誘電率推定の基礎研究
  • フォームEORにおけるAVOを用いたフォーム挙動把握の基礎的研究

 平成28年度(平成29年2月)

  • 地熱井におけるシリカスケール析出現象の物理学的モデル化のための基礎研究
  • 強度異方性をもつ媒質に対する水圧破砕と差応力の役割解明の基礎研究
  • 電磁波反射を用いた導電性媒質複素誘電率測定の基礎研究
  • 地震波干渉法を用いた海底下における異方性パラメータの推定

平成27年度(平成28年2月)

  • 多成分波形を用いるEquivalent Offset Migrationによる地下構造イメージングの研究
  • SPH法を用いた微粒子流入による浸透率変化シミュレーション
  • 傾斜した鉛直等方弾性体における坑井内ダイポール探査データ波形の研究
  • フラクチャー内流体振動を利用する地震波エミッショントモグラフィの基礎研究

平成26年度(平成27年2月)

  • MT法における粒子法の計算精度評価の研究
  • 地中レーダへの位相アレー型アンテナ適用性の研究
  • 複雑な傾斜層に対する反射法地震探査データ処理における等価オフセット・プリスタック・マイグレーションの研究
  • 地表付近の異方性異常体による地震波動場変化の研究

 平成25年度(平成26年2月)

  • 海洋電磁探査法データ処理における仮想領域法の適用性の研究
  • フルウェーブを用いた坑井間トモグラフィーによる弾性定数推定法の研究
  • 水圧破砕法の適用時における固体・流体連成問題の個別要素法シミュレーション研究
  • 格子ボルツマン法を用いたシリカスケール成長に係る流体物理学的シミュレーション研究

平成24年度(平成25年2月)

  • 多孔質弾性体を伝播する弾性波のQ値の研究 
  • 亀裂地盤内の孔隙水圧変化による応力集中の研究 
  • DEM-FDM連成による地盤内流体挙動シミュレーションの基礎研究 
  • 電磁誘導探傷法高精度化のシミュレーション研究 
  • VLF-EM法による地下比抵抗構造可視化に関する研究

平成23年度(平成24年2月)

  • 多孔質弾性体の弾性波反射における非線形応答の研究 
  • 壁面振動による単相層流流量変化の研究 
  • スタティック効果が3次元MT法インバージョンに与える影響の研究 
  • 重力・磁気探査データの同時インバージョンに関する研究 
  • 微小セラミック球による電磁波散乱と輻射熱抑制効果の研究

平成22年度(平成23年2月)

  • エシェロン構造の形成と応力場の関係の研究-MPS法による数値シミュレーション- 
  • 水中音響探査記録における平面波分解の研究 
  • 海底下地殻における地震発生時の海底変形に関する研究 
  • 電磁気探査における数値フィルタを用いたデータ処理 
  • 桜島火山昭和火口のマグマ供給システムと2009年噴火時地殻変動の研究

平成21年度(平成22年2月)

  • 人工電流源を用いた海底熱水鉱床の電磁探査に関する研究
  • Pearson近似による不等間隔格子を用いた津波伝播シミュレーションに関する研究
  • Coda-Qと弾性体に働く応力との関係
  • 自然電位法を用いた地下水流動解析のための2次元数値計算法の開発とその適用

平成20年度(平成21年2月)

  • 反射法地震探査におけるフレネルボリュームマイグレーション適用性の研究
  • 地層流体中のガスによる音波速度上昇メカニズムの研究
  • 人工電流を用いた海底下浅部比抵抗の連続モニタリング
  • 地中レーダアンテナの周波数特性と放射パターンに関する研究

平成19年度(平成20年2月)

  • 微小セラミック球による電磁波の散乱に関する研究
  • 沖大東海嶺における地殻構造探査に関する研究
  • JJY標準電波を用いた浅層EM探査に関する研究

平成18年度(平成19年2月)

  • 分散関係式を用いた3次元におけるPS波分離
  • 津波発生時の音響波伝播に関する研究
  • 表面波探査における分散曲線の安定化に関する基礎的研究
  • 水平ダイポール電場を用いた電磁探査法の研究
  • レシーバー関数を用いた地下速度不連続面の推定

平成17年度(平成18年2月)

  • AVOインバージョンによるフリーガス上のメタンハイドレートの存否の解析
  • 浅層反射法地震探査を用いた鉄塔基礎調査の検討
  • 3次元粗密波シミュレーションとその波源特性の解析

平成16年度(平成17年2月)

  • 波線理論と有限差分法による弾性波動のハイブリッドシミュレーション
  • 個別要素法による三軸圧縮試験のシミュレーション
  • 三陸沖地震発生帯におけるMT法による比抵抗インバージョン解析
  • 海底変動による津波発生時に生ずる疎密波内部伝播の二次元シミュレーション
  • 音響領域周波数を用いた坑井内弾性波探査によるフラクチャの解析
  • ローカルラディアルトレースメディアンフィルタを用いた表面波抑制手法に関する研究